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【ワールドカフェ】

1995年、アニータ・ブラウン氏とデイビット・アイザックス氏によって開発/提唱された組織開発手法の一つで、討論及びファシリテーションの一形式のこと。
フォーマルで硬い空気の会議よりも、移動も発言もオープンでリラックスできる環境での打ち合わせのほうが活性化する、という発想に基づく技法である。

一般的に同じ話し合いでも目的によって下記のような形で分類される。
①議論 お互いの意見や価値観を出し合う、ぶつけ合うこと。議論は結果として何らかの結論(『保留』も含む)を出すことが求められる。
②対話 話し合いを通して「どういう考えを持っているか」「どういう感情を持っているか」をお互いに理解しあうこと。一対一で深く話し合うニュアンスが強い。
③会話 話し合いを通して「人間関係を構築する」「仲良くなる」こと。

ワールドカフェでは議論を成立させるためにはその前段階として「対話」「会話」が重要であるとしている。
結果、ワールドカフェを行う際には「価値観の相互理解」「会話自体を楽しむ」ことを重要視し、「結論を出す」「合意形成を図る」ことを必ずしも重要視していない。

ワールドカフェの進め方は諸説あるが、1グループ4~5名のグループになってファシリテーターの指示/進行の基で模造紙やホワイトボードへの書き込みや意見交換、
共有の時間を取って進められるのが一般的である。

充実したワールドカフェのためにはファシリテーターの力量、会場の設営やしっかりした準備の他に「質の高い問い」を用意して話し合う必要がある。
創始者であるアニータ・ブラウン氏とデイビット・アイザックス氏によると「参加者が『自分事』として考えられる問いであること」
「ポジティブでオープンな質問であること」を基本として、以下の7つの条件を満たすような問いであることが重要である、と説いている。

①シンプルで明確な問い
②テーマに集中して探求することを促す問い
③これまでの仮説や思い込みを気付かせる問い
④発想を促す問い
⑤理想の状態、新しい可能性を開く問い
⑥エネルギーの湧いてくる問い
⑦より深い内省を促す問い

ワールドカフェは前提として「組織開発技法である」という実施側と受講側の認識の共有が必要であるため、狭義の研修技法として捉えると使いどころが難しい。
また高い効果があるかどうか、というと(目で見て分かりやすい結果が出ないことも多いため)必ずしも良いものとは言い切れない部分もある。
しかし、合意形成の前に人間関係構築や相互の感情理解の重要性を説いている点や「問い」の立て方に関する考察は非常に有用であり、
交渉の一局面や部下指導の対話、会議の一部にその考え方を取り入れるのには参考になる部分が多いのではないだろうか。

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