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【課題対応研修】

課題対応研修は、研修の実施形式の分類の一つである。
企業組織の中で経年や特定の役職、職層に就いた時に受講するのが「階層別研修」、その仕事(例:営業、人事、SE等)をするために必要な能力を身につけるための研修が「職能研修」であり、多くの企業で研修が行われている。
それに対して、企業組織が抱えている問題や課題を分析し、そこに対して対応策を検討する研修が「課題対応研修」である。
課題対応研修は例えば「各種ハラスメント研修」「女性活躍推進研修」「コンプライアンス研修」「DX推進研修」といったものが挙げられる。

課題対応研修はその性格から下記のような特徴がある。

・社会的な要請や法制度の変化、世の中の風潮に対して企業が抱えている問題の分析から企画が始まることが多い。
・階層別研修や職能研修は、毎年新しい受講生が出てきて毎年継続するのが望ましい内容で企画される。

それに対して何らかの成果指標に向けて一定期間の時期がある取り組みとなることが多く、委員会を設置したり、プロジェクト仕事的な実施形式となったりすることも多い。

なお、課題対応研修と階層別研修および職能研修とが完全にきれいに分類できない場合も多い。
例えば特定の職種に対して研修を行おうとするとそれは「職能研修」だが、その職種、仕事で多く発生しているクレームの対応策の研修を行うのは課題対応研修的なニュアンスがある。
例えば、新任管理職研修(階層研修的テーマ)でパワーハラスメント(課題対応研修的テーマ)を取り上げるとする。

テーマ的にも受講対象的にも噛み合っているが、

①新任でない、既存の管理職にも別の受講機会が必要となる
②新任管理職に必要なテーマが色々あって時間の限りもある中で、パワーハラスメントばかりを強調すると、テーマの体系的な理解の機会が失われてしまう

等の要素から、結果として「階層別研修」「職能研修」「課題対応研修」は分けて企画/実施したほうが受講生の頭の整理の意味でも納得度の観点でも良い結果になりやすい。

世の中も会社も時代によって変わっていくものである。
どこかの会社で今パワーハラスメントの研修をやっていて、10年後もパワーハラスメントがその会社全体の問題のままだとしたらそれは研修以外の解決方法を検討する必要がある。
また、クレームの研修も10年後も同じクレームが発生しているとは限らない。
階層別研修、職能研修である程度本質が変わりにくい部分の研修を行い、課題対応研修では短期から中期的に集中して行う等、それぞれの位置づけを明確にすることが重要である。

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