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【集団思考/集団浅慮(心理学用語)】

集団思考または集団浅慮とは、Group Thinkに対して用いられる訳語である。
一人一人は非常に優秀であるはずの人たちが、集団になると非合理的な判断をしてしまうことを指す。
アメリカの心理学者アーヴィング・ジャニスが過去の誤った政治判断(真珠湾攻撃、ベトナム戦争、朝鮮戦争等)を何故してしまったのか、を研究する中で提唱した。
ジャニスによると、下記のような条件がそろった時に集団思考が発生しやすいと言われている。

①均質性(構成員のステータスが均質で多様性のなさの度合い)が高く、擬集性(集団が構成員を動機づけ、一員として引き付け拘束する度合い)が高い集団が
②構造的に欠陥を抱えて
③大きな変化やストレス、刺激にさらされた時
に集団で愚かな判断をしてしまいやすくなるという。

また、集団思考が発生する集団には下記のような8つの兆候が見られるという。

①自分の組織、集団は不滅であると勘違いする
自分たちの組織は間違いや失敗を起こすことはないと考えるようになる。また、失敗しても組織が壊滅することはあり得ないと考える。
こういった無謬性(絶対に間違えないこと)は全体主義の兆候とも重なると指摘されている。

②排他的感情の発生
「我々」と「我々以外」で敵味方を判断し、我々以外は敵とみなすようになる。組織外からの意見に対して拒否反応を示すようになる。

③「合理的」責任転嫁
組織が判断したことで失敗が起こった場合には自分のミスとは認めず、責任を他に転嫁する。

④組織内モラルの硬直化
組織内のモラルが当たり前のことと考えるようになり、検討分析をしなくなる。

⑤波風を立てないように自己検閲するようになる
場に出ている意見に対して反対の考えを持っていても、無意識に波風を立てないように自己検閲するようになる。

⑥満場一致と勘違いするようになる
発信者以外のメンバーが沈黙している場合には満場一致であるとみなすようになる。

⑦リーダーによる同調圧力
場を乱す人、場の意見とは違う意見を持っている人に対して上司が圧力を加えて意見を統一しようとする。

⑧自己防衛
新しい意見や人が入ってくることに対して防衛機構が働くようになる。

こういった現象の背景には、エコーチェンバー現象(閉じられた環境でのマイクの残響音のように、閉じられた環境で自分たちの信念が自己増幅・自己強化される現象のこと)があると言われている。
優秀で均質的な組織は「官僚的」と評されることも多く、古くからその弊害は指摘されてきた。
こういった状況にならないようにするためには、報告連絡相談の徹底や自分たちの進んでいる方向性に対する分析や志の点検、また時には新しいメンバーを入れたりオブザーバーを入れたりする等の対策が必要となる。

例えばディベートのテクニックでも「悪魔の代弁者」と言われるものがある。
満場一致の意見にあえて反対意見を提出する人を役割として任命する、というものである。
たとえ反対者がいることで意思決定がスムーズにいかなくなっても、組織が柔軟性や多様性を担保するためにはこういった取り組みを意識的に行うことが必要、という重要な知見である。
現在では集団思考に陥らないための対策は「学習する組織」「危機管理学」「失敗学」といった学術テーマが引き継いでいると位置づけることができる。

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