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【ハロー効果(心理学用語)】

ハロー、またはヘイローとはHalo=後光のこと。
天使や神仏の背後にさす後光から、転じて「際立った特徴を持つ人への評価はその特徴の影響を受けて歪む認知バイアスの現象」のこと。
良い印象を持っていると良い方向に、悪い印象を持っていると悪い方向に働くと言われている。
アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクの論文が初出である。
日本のことわざなら「痘痕も靨(あばたもえくぼ)」「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」が近いかもしれない。

人間社会にある程度普遍的に見られる現象で「感情による即断」「認知バイアス」の典型的な例と言える。
近年、人間の思考には「早い思考=直感的な思考」と「遅い思考=論理的な思考」があることが広く知られるようになってきた。
人間は認知に関連する部分では「早い思考=直感的な思考」で対応してしまうことが多く、認知にかかるエネルギー、労力をけちる傾向があるため「この人のことをよく観察してから評価しよう」という認知活動が非常に苦手であるとされている(詳しく知りたい方は参考書籍としてダニエル・カーネマン著『ファストアンドスロー』をご参照ください)。
コロンビア大学心理学教授ハイディ・グラント・ハルバーソンによると人が人を認知する際には「信用レンズ=信用関係によって認知が変わる」「パワーレンズ=権力によって認知が変わる」「エゴレンズ=自分の自己肯定感を守るために認知が変わる」といったレンズが邪魔して人を正しく見ることが難しい、と論じている。
ハロー効果もこういったレンズの影響、または相互作用の結果起こっていると説明できる。

心理学や行動経済学の分野でこうした多くの認知バイアスの事例が報告されているように、人間の認知と評価、そして判断にはどうしても何らかのノイズが混ざってしまうものである。
しかし「こういう心理効果がある」ということを理解した上で物事をとらえようとする努力こそが大切である。

人材育成の文脈では人事考課の際によく取り上げられる。
「人間はどうしても第一印象で判断する」「人間はどうしても認知にかかるカロリーをケチる」という観点からも印象管理やマナーは重要だ、といえるかもしれない。

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